2016年11月20日日曜日

PGConf.AISA 2016の歩き方

PGConf.ASIAは、PostgreSQL生誕20周年を記念して、12月2日、12月3日の日程で、東京、秋葉原で開催される、アジア最大のPostgreSQLカンファレンスです。このカンファレンスはユーザ、開発者、企業と様々なバックグラウンドの発表者が世界9ヵ国から集まっていて、発表内容も、新機能、周辺ツール、事例の紹介などバラエティに富んでいて、どの発表を聞いていいか、迷ってしまいまうかもしれません。そんなあなたに、これから、「PGConf.ASIA歩き方」と題して、解説をしてみたいと思います。

PostgreSQLの最新機能の情報を入手するには、有力開発者の澤田雅彦氏による新機能紹介やTomas Vondra氏の性能向上の紹介がおすすめです。さらにPostgreSQLの内部構造に興味がある方は、コミッタのAmit Kapila氏によるパラレルクエリの紹介や早水 悠登氏によるオプティマイザの解説がよいでしょう。

PostgreSQLの周辺ツールに目を向けると、コアメンバでもあるDave Page氏によるPGAdminの新バージョンの紹介、同じくコアメンバのMagnus Hagande氏によるバックアップの最新事情の解説、日本のユーザコミュニティの立上げメンバ、コミッタでもある石井達夫氏と長田 悠吾氏のPGPool-IIの紹介や須藤 功平氏のPGroongaの紹介があります。

PostgreSQLの現在そして未来を感じるには、PostgreSQLコミュニティの第一人者であるBruce Momjianの講演でNoSQLとの戦いと適合、コミッタのSimon Riggs 氏によるPostgreSQLのクラスタ化によるレプリケーションやシャーディング、海外 浩平氏による、PL/CUDAによるIn-Database解析など現在開発中の機能についてウォッチしてみてください。

PostgreSQLの利用動向や商用製品と比較した強みや弱みを掴むには、PostgreSQLのサポートや製品化を行っている日立の稲垣 毅氏や富士通の山本 明範氏と樋口 大輔氏の講演が良いでしょう。その上で、現在お使いの商用DBMSからOSSに乗り換えを考てみようと思った方には、 Venkata B N氏のマイグレーションの実際が参考になると思います。

圧倒されるのが、中国の大規模事例で、Xu Zhongqing氏のWeChatペイメント、 萧少聪氏のAliyunへの適用事例やVictor Blomqvist氏のスマホアプリTantanといった講演で、課金システムや高負荷なシステムにおいても、いよいよ普及期になったことが実感できると思います。日本でも、丹治 邦夫氏と石井 愛弓氏の中国電力におけるスマートメータ管理システムへの適用も、引けを取りません。

PostgreSQLの開発や多くのイベントはコミュニティ活動として行われており、最古のオープンソースソフトウェアコミュニティの一つです。Peter van Hardenberg氏は、20年の長きにわたって存続してきたPostgreSQLコミュニティの歴史をひも解いてくれます。更に高瀬 洋子氏によるヨーロッパのコミュニティの紹介を聞くことで、今のコミュニティの状況をより深く理解できるでしょう。コミュニティの活動に興味を持たれた方は、カンファレンスやソーシャルイベントを通じて、コミュニティの実践者である、発表者、スタッフ、参加者に声をかけてみてください。コミュニティ活動の第一歩となると思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿